労働安全&環境関連の監査業務のために、兵庫県姫路市に来ています。
今から約6年前の2012年9月、日本触媒㈱姫路製造所でアクリル酸製造工程の貯蔵タンクが爆発し、消防隊員1人が死亡、従業員など36人が負傷するという痛ましい事故が起こってしまいました。その判決公判が19日にあり、当時の管理責任者に執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました。
アクリル酸は、毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定されており、消防法では第4類危険物 第2石油類に該当する物質です。引火性で、多くの反応により、火災や爆発をもたらす危険があり、火災時に刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出します。また、48℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがあります。引火点は約50℃、発火点は395℃。
GHS分類
注意喚起語:危険
引火性液体および蒸気
飲み込んだり、皮膚に接触または吸入すると有毒
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
呼吸器への刺激のおそれ
水生生物に有害
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タンクに温度計が設置されていないなど、基本的な安全管理を怠っていたようですが、製造現場の方は1つの工場の同じ部署で何十年も業務をされることがあります。しかし、長い間同じ現場で仕事をしていると、すべてが当たり前になってしまい、事故が起こって初めて自社の安全管理体制が不十分だったと気づかれるケースも少なくありません。
そのようにならないために、できるだけ外部の講習などに参加していただき、情報を持ち帰って自社の現場を見直したり、弊所のように、様々な製造現場を見てきている外部のコンサルタントや監査員を有効に活用していただき、労働災害防止に役立てていただければ幸いです。